お酒、すなわちアルコールをたくさん飲むことで最初に肝臓に起こる病的な変化は脂肪肝です。

脂肪肝とは、肝臓に脂肪がたまった状態です。これはいわゆる、フォアグラの状態です。

出典:フォアグラのテリーヌ ( レシピ ) – うまいぞ北海道・根室の宿から – Yahoo!ブログ

実は、肝臓に脂肪がたまるのは普通のことです。問題なのは、たまる脂肪の量です。

肝臓はエネルギーをたくわえる臓器です。具体的には、脂肪酸から中性脂肪を組み立て、肝臓を構成する細胞である肝細胞の中にためこんでいます。たとえば空腹時など、カラダにエネルギーが入ってこない際には肝臓の中性脂肪が分解されてエネルギー源として利用されているのです。

使われるエネルギーよりも取り入れられるエネルギーが多いと、肝臓に脂肪が過剰にたまります。このようにして、肝細胞の30%以上に脂肪がたまっている状態が脂肪肝です。

前述のように、肝細胞の脂肪化は、アルコールをたくさん飲むことでも起こります。大量にお酒を飲む人の多くに脂肪肝がみられます。

この理由は、アルコールを分解する過程で肝細胞内にNADHがたまるからです。NADHとは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドnicotinamide adenine dinucleotideのことで、脂肪酸の合成を促す働きがあります。

つまり、アルコールをたくさん飲むとその分解の過程でNADHが肝細胞内にたまり、そのNADHが原因で脂肪酸合成が促され、肝細胞の脂肪化が起きるのです。

また、アルコールを分解する際につくられる物質の一つにアセトアルデヒドがあります。アセトアルデヒドは有毒です。これが肝臓における免疫反応の原因になり、結果として肝臓の炎症の原因になります。

お酒の分解の過程で、酸化ストレスもかかります。酸化ストレスの酸化とは、何らかの分子に酸素原子が結びつくことです。酸化はカラダ全体でおこっています。酸化が原因でカラダの細胞が傷つけられることを酸化ストレスといいます。

お酒は肝臓の酸化ストレスを増やします。この結果、肝障害が引き起こされます。

たくさんのお酒は、肝臓の細い血管の異常の原因となります。具体的には、血管を細くします。この結果、肝臓の細い血管の血液の流れが悪くなり、酸素不足になります。これも肝障害の原因になります。