はじめに

肝臓の状態を調べる検査には、血液検査、超音波検査、CT検査、MRI検査など、いろいろなものがあります。

この記事ではとくに肝臓に関する血液検査について説明します。

肝臓のはたらき

肝臓に関する血液検査について説明する前に、肝臓のはたらきについて説明します。

肝臓のはたらきは多様です。

肝臓は物質を合成したり、分解したりしています。このことから、肝臓は体内の生化学工場に例えられます。

肝臓の状態を血液検査で調べる

血液検査で調べることができる肝臓の状態には、具体的には肝細胞障害の有無、合成能がどれほど残っているか、解毒・排泄機能はどれくらいか、慢性炎症の有無、肝繊維化の程度、胆汁鬱滞の有無などがあります。以下で、これらの事柄について順に説明していきます。

肝細胞障害の有無

肝細胞も細胞の一つです。肝炎があったり、血流が低下したりするとダメージをうけます。このようにして肝細胞が障害を受けることを肝細胞障害といいます。

肝細胞障害では、肝細胞の中にある酵素が血液中にもれだします。このように細胞からもれだす酵素のことを逸脱酵素といいます。

肝細胞以外の通常の細胞が障害されると、AST、LDH、Kなどが細胞が胃にもれだします。肝臓の場合、これらに加えてALTがもれだします。

このことから、肝細胞障害ではAST、ALT、LDHが血液検査で上昇することが分かります。肝逸脱酵素と言った場合、通常、AST、ALT、LDHの3つを指します。

肝臓に異常がある、すなわち肝細胞壊死で上昇する血液検査の項目として、AST、ALT、LDHが有名です。

肝臓の合成能の程度

つぎに、肝臓の合成能の強さを調べる血液検査の項目について説明します。

肝臓の合成能とは、おもに、タンパク質や脂質を合成する力のことです。たとえば、凝固因子はタンパク質です。ですから、凝固因子ができているかどうかを評価することで、肝臓の合成能を調べることができます。具体的には、凝固因子の中でもPT(%)を調べます。PT(%)が低下していれば合成能が悪いということであり、肝機能が悪いということになります。

ほかにも肝臓の合成能の程度を調べる血液検査の項目があります。タンパク質の一つであるアルブミンやコリンエステラーゼ、コレステロールなどです。これらの値を調べることで、肝臓の合成能を調べることができます。

肝臓の解毒・排泄機能

肝臓のはたらきの重要なものに、解毒・排泄機能があります。

肝臓の解毒・排泄の力を調べる血液検査の項目について説明します。

肝臓の解毒・排泄機能は、ICG試験を行う、アンモニア値を調べることで測ることができます。

解毒・排泄機能の点からも血液検査でわかる項目を確認する。

慢性炎症の有無

肝臓に慢性の炎症があるかどうかは、血液検査で血漿膠質反応(ZTT、TTT)、γグロブリンを調べることで判断することができます。

肝繊維化の有無

肝臓の繊維化があるかどうかは、Ⅳ型コラーゲン7S、ヒアルロン酸を調べることで確認することができます。

胆汁うっ滞の有無

胆汁の流れが悪くなると上昇する血液検査の項目にALP、γGTP、直接Bilがあります。これらの値を調べることで胆汁うっ滞があるかどうかを調べることができます。

まとめ

このように血液検査のみでもいろいろなことが分かります。肝臓はとても多くの働きをしており、血液検査で調べる際にも多面的に評価することが必要です。

ランキング1位
ランキング2位
ランキング3位