現在、タバコを吸っている人で、健康への影響を心配して、電子タバコを試そうと考えている方は多いのではないでしょうか。

電子タバコとは、電力を使って香りを発生させ、その蒸気を楽しむことができる機器です。本物のタバコに比べれば発がん物質などの有害物質は少ないのでしょう。

しかし、2018年3月17日から20日にかけてシカゴで行われた第100回米国内分泌学会(ENDO)で、米・Charles R. Drew UniversityのTheodore C. Friedman氏らの研究グループにより、電子たばこの使用により脂肪肝になる可能性があることが、マウスを用いた実験から示唆されたことが発表されました。

電子タバコで脂肪肝になる原因は、電子タバコに含まれているニコチンであると報告されています。

この研究はマウスを対象に行われました。対象となるマウスにはもともと脂質とコレステロールが多く含まれているエサを与えておきました。また、これらのマウスはアポリポ蛋白Eという遺伝子を持たず、心臓病や脂肪肝を発症しやすくしてありました。

実験では、これらのマウスを2つのグループに分けました。

1つのグループでは、マウスの部屋に電子タバコの蒸気を充満させました。充満させる蒸気の量は、蒸気に含まれるニコチンの量が電子タバコを使っている人が吸い込むニコチンの量と同じ程度になるようにしました。

もう一つのグループでは、マウスの部屋にニコチンの代わりに生理食塩水を充満させました。

その後、2つのグループのマウスの肝臓の組織を採取して分析し、電子タバコの影響を調べました。

その結果、電子タバコの蒸気にさらされたマウスでは脂肪肝の発症と進行に関係する遺伝子の変異が認められました。さらに、体内時計に関係する遺伝子の変異も認められました。ちなみに体内時計の乱れは脂肪肝を悪くします。

電子タバコは通常のタバコに比べれば安全だと思いますが、ニコチン入りのものでは脂肪肝を引き起こす可能性があります。ただし、現在、日本ではニコチン入りの電子タバコは販売されていません。

しかし、ニコチンが含まれていなくても、電子タバコは何かを吸い込むものであることは間違いありません。カラダへの影響については慎重に考えなければならないものでしょう。