劇症肝炎では、急激にはなはだしく肝細胞の働きが悪くなります。この結果、肝性脳症などの症状がでます。

劇症肝炎はとても予後が悪い、怖い病気です。

このように肝細胞が障害されて肝臓の働きが鈍る原因には、ウイルスや薬などがあります。

日本では、1年に約400人ほどがこの病気になります。

また、急性肝炎になる人の約2%が劇症肝炎になります。

劇症肝炎の主な病態は、肝細胞の働きの低下、肝臓の再生不良、肝性脳症の3つです。

今回、これらの病態について説明します。

肝細胞の働きの低下

肝臓はカラダの毒素を分解しています。肝細胞の働きが低下し、肝機能が悪くなると、毒素のが十分にできなくなります。この結果、カラダに蓄積する有名な毒素にアンモニアがあります。

アンモニアが分解されずに体の外に出されないことで血液の中に溜まり、意識障害などがでてくる病気を肝性脳症といいます。

肝臓のもう一つの主な働きに、血液を固める作用のある物質の合成があります。これを血液凝固因子といいます。肝細胞の破壊により肝機能が障害されると、血液凝固因子が作られなくなります。この結果、命に係わる出血を起こすことがあります。

肝臓の再生不良

肝臓はもともと再生能力が高い臓器です。ダメージを受けたとしてもすぐに回復します。

たとえば生体肝移植では、ドナーとなる方の肝臓が切り取られて移植を受ける方に渡されます。

肝臓は再生する力がとても強いので、切ったところはすぐに元通りになります。

劇症肝炎では、この再生能力が低下します。肝細胞が障害されると、新たに正常な肝細胞が作られません。

この肝像の再生不良が劇症肝炎の予後を悪くしています。

肝性脳症

劇症肝炎による肝機能不全により、肝臓の代謝機能の一つである解毒の機能が著しく低下します。

正常な状態であれば肝臓で無毒化されなければならない物質がカラダに溜まります。上で説明したアンモニアがその代表です。

アンモニアは神経細胞の働きを悪くさせ、昏睡を起こします。

このように、劇症肝炎は、肝細胞の働きが悪くなること、肝臓の再生能力が低下すること、肝性脳症が起こることの3つを主な病態として、非常に予後が悪い病気になっています。

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