GAVEとは?

胃前庭部毛細血管拡張症(gastric antral vascular ectasia;GAVE)とは、胃前庭部にびまん性の血管拡張像を呈する胃の病気で、消化管出血の原因になります。

GAVE は狭義のGAVE とびまん性胃前庭部毛細血管拡張症(diffuse antral vascular ectasia;DAVE)に分けられます。

狭義のGAVEとは?

狭義のGAVE の内視鏡所見は前庭部に放射状に縦走する血管拡張であり,スイカの皮の縦縞模様に似ていることから“water melon stomach” として報告
されました。

DAVEとは?

一方,DAVE は前庭部にびまん性の点状・斑状の毛細血管拡張症を一定の規則性の無い配列で認めるものです。

狭義のGAVEとDAVEの違いは?

狭義のGAVEとDAVEに本質的な差はありません。これらは同じ病態と考えられます。

ただ、GAVE の病変範囲は前庭部に限局していることが多いです。しかし、胃角部や十二指腸に生じることもあります。

GAVEは出血の原因になるの?

頻度はそれほど多くないものの,GAVEは機械的刺激や蠕動運動亢進により容易に出血をきたしやすい病態です。

GAVEの症状は?

GAVEは腹部症状に乏しいです。タール便、黒色便が代表的な症状です。

GAVEはどのようにしてみつかるの?

出血症状が明らかでないのにも関わらず貧血が慢性的に進む際に、原因を調べるために内視鏡検査を行うとみつかることがあります。

GAVEの病理組織学的所見は?

GAVEの病理組織学的所見として粘膜固有層の毛細血管拡張フィブリン血栓fibromuscular hyperplasia が特徴的です。

GAVEの原因は?

GAVEの発生機序についてはまだ詳しいことが分かっていません。胃の蠕動運動亢進により機械的刺激,門脈圧亢進,自己免疫,高ガストリン血症などの血管拡張作用を有する物質,腎不全などの種々の病因の関与の可能性が指摘されています。

また、約30%で肝硬変が基礎疾患として存在します。

GAVEは治療が必要なの?

出血しているGAVEは治療が必要です。

GAVEの治療法は?

症状が軽い場合には貧血に対する鉄剤の投与や制酸剤や粘膜保護剤の投与が行われます。しかし、これには限界があります。

そこで、内視鏡治療が低侵襲であり効果が期待できるため第一選択となっています。

具体的には、ヒートプローブ法やアルゴンプラズマ凝固(argon plasma coagulation;APC)などの熱凝固法,内視鏡的結紮法などがあげられます。

なかでも安全性が高く手技的に容易であるAPC は短時間で効率的に広範な焼灼が可能であり,最も一般的に行われている有効な治療法です。

アルゴンプラズマ凝固(APC)とは?

APC は手技的に容易であり広く普及している安全性の高い非接触凝固法です。

アルゴンガス(アルゴンプラズマ)の放出と同時に高周波電流を放電することによりアルゴンプラズマビームを発生させ,一定の浅い深度での広範な組織凝固,止血を行うことができます。

出血をきたすGAVE 例や腫瘍例などのびまん性出血例に安全に施行可能です。GAVE における毛細血管拡張所見は粘膜固有層のみならず粘膜下層まで存在するため,十分な焼灼が必要であり,再燃した場合は追加治療が必要となります。

GAVEは治療をすれば再発をしないの?

GAVEは内視鏡で治療をしても、一回の治療のみでは再燃し追加治療を要する場合も少なくありません。

何度も再発するGAVEに有効な治療法は?

内視鏡治療を繰り返しても何度も再発するGAVEでは幽門側胃切除などの外科的治療が選択されます。しかし、GAVEでは背景に肝硬変や腎不全などの重篤な疾患が存在する場合が多いので、適応判断には慎重を要します。

何度も再発するGAVEの手術以外の治療法は?

redonisoloneやestrogen-progesterone などのホルモン療法が有効であったという報告もあります。