肝炎という言葉と肝障害という言葉は、とても紛らわしく使われます。

血液検査で調べることができるASTやALTという値が基準値よりも高い場合、肝炎や肝障害があると言われるのです。

肝炎と肝障害は何が違うのでしょうか。

答えは、肝炎と肝障害は同じといってもよいのですが、実際には違うようにも使われるという、何とも歯切れの悪い説明になります。

原因は何であるとしても、肝臓を構成している細胞である肝細胞が死ねば、そこには炎症が起こります。

つまり、肝炎の原因は、肝細胞の死です。

肝細胞の死、別の言い方をすれば肝細胞が破壊されることは、肝炎と同じ意味で使っても問題ないです。肝細胞の破壊は肝障害と同じような意味ですので、結果として、肝障害=肝炎と考えていいわけです。

しかし、実際には肝炎と肝障害は、その言葉を聞いたときにイメージするものが少し異なります。

肝炎というと、ウイルス性肝炎を連想しやすいのです。

ウイルス性肝炎とは、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスなどの肝炎ウイルスや、サイトメガロウイルスやEBウイルスを代表とするその他の肝障害を引き起こすウイルスが原因で起こる肝障害のことです。

では、肝障害は何を連想しやすいのでしょうか。

肝障害という言葉からは、薬が原因で起こる肝障害である薬物性肝障害やアルコールの飲み過ぎが原因で起こるアルコール性肝障害などを思い浮かべやすいです。(ただし、アルコール性肝炎は除きます。)

以上をまとめますと、

肝炎=ウイルス性肝炎(ウイルスが原因で起こる肝細胞の死、破壊)

肝障害=アルコールや薬などが原因で起こる肝細胞の死、破壊

となります。