肝臓を構成している細胞を肝細胞といいます。

肝炎ウイルスとは、肝細胞に感染して肝炎を引き起こすウイルスのことです。

肝炎とは一言でいうと肝臓の炎症のことで、肝細胞が壊されることによってそこに炎症が起こった状態です。

肝炎ウイルスには、いくつかの種類があります。

有名なものに、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスがあります。実は他にも、A型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスもあります。

さらに近年有名になったものにG型肝炎があり、この原因になるのはG型肝炎ウイルスです。

肝炎ウイルスには2つの大きな特徴があります。

1つ目の特徴は、肝炎ウイルスは肝細胞だけに感染することです。このことを専門的には、肝炎ウイルスは肝細胞に強い親和性をもつと表現します。

2つ目の特徴は、肝炎ウイルスそのものは肝細胞を攻撃しないことです。

つまり、肝炎ウイルスは肝細胞に感染しますが肝細胞を直接、攻撃するわけではないのです。肝細胞に寄生しているだけなのです。

では、肝炎ウイルスは肝細胞を攻撃して破壊したり、殺したりしないのに、なぜ肝炎ウイルスに感染すると肝炎が起こるのでしょうか。

それは、肝炎ウイルスに感染した人の免疫が肝炎ウイルスに感染した肝細胞を攻撃するからです。

免疫は、ヒトを細菌やウイルスなどの病原体やがん細胞から守っています。この免疫の働きによって肝炎ウイルスに感染した肝細胞が破壊されることで肝炎が起こります。

つまり、肝炎ウイルスに感染していてもヒトの免疫が働かなければ肝炎は怒らないのです。実際に、肝炎ウイルスが肝細胞に感染して増えていたり、活発に活動していたりしても、ヒトの免疫反応が活性化しないために肝炎が起こらずに何の症状もなく過ごしている人もいます。

このような人でも、肝炎ウイルスが肝細胞の中に隠れていることが免疫によって発見されると免疫機能が活発化し、ウイルスが感染している肝細胞もろとも攻撃されます。このようにして肝炎が起こります。

逆に、肝炎ウイルスが肝細胞に潜伏していることにヒトの免疫が気が付かなければ、ウイルスが寄生したまま肝炎が起こらずに経過します。