肝内胆管癌は、手術をすることができないと、とても予後が悪いです。

多発する肝内胆管癌に対しても可能であれば手術を行うのが最善といわれています。

ちなみに手術以外の治療法には、化学療法や血管内治療があります。血管内治療では、TACE、TARE、HAIなどが行われます。

多発する肝内胆管癌の治療法に関して、手術と血管内治療のどちらが成績がいいのかを調べた研究がありました。

この記事では、その研究についてまとめた下記の論文についてご紹介します。

Surgical Resection Does Not Improve Survival in Multifocal Intrahepatic Cholangiocarcinoma: A Comparison of Surgical Resection with Intra-Arterial … – PubMed – NCBI

 

この研究は、一つの施設で行われた後ろ向き研究です。

多発する肝内胆管癌の患者さんが対象です。ただし、遠隔転移のある患者さんと全身化学療法だけが行われた患者さんは研究対象に含んでいません。

この研究では、まず、患者さんを2つのグループに分けました。

  1. 手術治療を受けた患者さん 57人
  2. 血管内治療を受けた患者さん 59人
    1. TACE 41人
    2. TARE transarterial radioembolization 放射線塞栓療法 2人
    3. HAIポンプ療法 肝動脈注入ポンプ療法 16人

血管内治療とは、具体的にはTACE、TARE、HAIの3つです。

血管内治療を行ったグループを手術治療を受けたグループと比べた場合の特徴には下記のようなものがありました。

  1. 肝臓の両葉に病気があった率が高い(88.1% vs. 47.4%, p < 0.001)
  2. 腫瘍の大きさが大きい(median 10.6 vs. 7.5 cm, p = 0.004)
  3. 血管浸潤があった率が高い(44.1% vs. 24.6%, p = 0.027)
  4. リンパ節転移があった率が高い(57.6% vs. 28.6%, p = 0.002)

生存期間の中央値は、手術療法群で20ヶ月、血管内治療群で16ヶ月でしたが、2つのグループ間に有意差はありませんでした(p = 0.627)。

多変量解析の結果、血管浸潤があることと全身化学療法を受けないことが予後不良の独立した予測因子でした。

手術療法は多変量解析の結果では、血管内治療と比較し、生存期間において優れているわけではなかったということです。

血管内治療ではなく手術治療を行う症例の選択バイアスがあったかもしれないのにもかかわらず、多発する胆管細胞癌に対して手術治療を行うことで生存期間を伸ばすという結果はこの研究では得られなかったようです。