肝臓の病気にはどんなものがあるの?
肝臓病患者さん肝臓病患者さん

肝臓の病気にはどのようなものがあるのですか?

金子吉弘金子吉弘

肝臓の病気はいろいろあるので、理解しやすいように、肝炎、肝硬変、肝癌の3つに分けて考えましょう。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

肝炎、肝硬変、肝癌ですね。

金子吉弘金子吉弘

そうです。順に説明していきます。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

お願いします。

金子吉弘金子吉弘

まず、肝炎です。これは、経過から急性肝炎と慢性肝炎に分けることができます。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

経過からというのは、どういうことでしょうか?

金子吉弘金子吉弘

肝炎がどれくらいの期間、続くかという意味です。6ヶ月で区切っています。肝炎が6ヶ月以上続くものを慢性肝炎といいます。肝炎が6ヶ月以内にはおさまるものを急性肝炎といいます。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

肝炎を6ヶ月以内におさまるものかそれ以上続くものかという経過によって急性肝炎と慢性肝炎に分けることができるということは分かりました。ですが、肝炎とはそもそもどのようなものなのでしょうか?

金子吉弘金子吉弘

肝炎とは、肝臓に炎症がある状態のことをいいます。具体的には、肝細胞が何らかの原因によって破壊されている状態です。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

肝細胞とは、何ですか?

金子吉弘金子吉弘

ヒトのカラダは無数の細胞からできています。肝臓も同じで無数の細胞から構成されています。その肝臓を構成している細胞の中でも最も多いのが肝細胞です。この肝細胞がいろいろな原因で破壊されているのが肝炎です。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

急性にしろ慢性にしろ、とにかく肝細胞が壊されているのが肝炎なのですね。では、肝炎の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?

金子吉弘金子吉弘

肝炎の原因にはいろいろあります。有名なのはウイルスやアルコールでしょうか。ほかに、肥満や生活習慣が原因になったり、薬剤や自己免疫が原因になったりします。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

いろいろありますね。肝炎の原因になるウイルスにはどのようなものがあるのですか。

金子吉弘金子吉弘

肝炎の原因になるウイルスは、主には、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイする、C型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスの4つです。その他に、D型肝炎ウイルスというのもあります。さらに、EBウイルス、サイトメガロウイルスなども肝機能障害の原因になります。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

ウイルスだけでもたくさんありますね。次は、肝硬変について教えていただけますか。

金子吉弘金子吉弘

肝硬変とは、肝炎が長い間続いた結果、肝臓が少しずつ固くなり、肝臓の働きが失われてきている状態です。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

肝炎が長く続くとどうして肝臓が固くなるのですか?

金子吉弘金子吉弘

一言でいうと、肝臓の線維化が起こるからです。肝炎が起こっている期間が長ければ長いほど、肝臓は線維化していきます。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

肝臓の線維化と言われてもよく分かりません。それはどのような状態のことを言うのですか?

金子吉弘金子吉弘

肝炎では肝細胞が破壊されています。でも肝臓は再生能力がとても高いので、壊れた肝細胞はどんどん再生します。ただそのときに、肝細胞が破壊された部分を補うように繊維質が生み出されます。肝炎がずっと続くとこの繊維質が肝臓にたまってきます。こうして肝臓の線維化が進みます。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

壊された肝臓の細胞が再生するときに肝臓の線維化が起こり、肝炎が長く続いた結果、線維化が蓄積して肝硬変になってしまうのですね。でも、線維化が進んで肝臓が固くなると、どうしてよくないのですか?

金子吉弘金子吉弘

線維がとても増えたところでは肝臓自体が線維におきかわってしまいます。その部分には正常な働きをする肝細胞が再生することができません。肝臓のうち、線維化した部分の割合がどんどん増えていくということは、正常な肝細胞がどんどん減っていくということです。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

肝硬変では正常な肝臓が線維化して繊維質に置き換わってしまうことで、肝細胞の数が減ってしまうということは分かりました。でも、そうなるとどうしてよくないのですか?

金子吉弘金子吉弘

肝細胞の一つ一つは、たくさんある肝臓の働きを担っています。肝細胞の数が極端に低下すると肝臓の働きが失われます。その結果、肝硬変の症状である黄疸や腹水、肝性脳症などが認められるようになってしまったのが非代償性肝硬変です。肝硬変でもまだそのような肝機能低下による症状がでていないのが代償性肝硬変です。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

症状がでているのが非代償性肝硬変でまだ症状がでていないのが代償性肝硬変ですね。

金子吉弘金子吉弘

残った肝細胞で肝臓の働きを代償できているから、代償性肝硬変では症状がでていないのです。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

なんとなく分かりました。肝硬変の原因はどのようなものがあるのですか。

金子吉弘金子吉弘

肝炎が長期間にわたり続く病気です。何があると思いますか?

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

C型肝炎ですか?

金子吉弘金子吉弘

肝硬変の原因でC型肝炎はとても多いですね。あと、ウイルス性肝炎だと、B型肝炎も肝硬変の原因になります。あと、お酒がやめられない人ではアルコール性の肝硬変も多いです。太っていてやせることができない人や糖尿病がある人ではNASHも肝硬変の原因になります。自己免疫による肝疾患もコントロールが悪いと肝硬変になります。具体的には、原発性胆汁性胆管炎と自己免疫性肝炎です。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

慢性肝炎の原因だけでもとても多いですね。B型肝炎、C型肝炎、アルコール、NASH、自己免疫による肝疾患ですか。

金子吉弘金子吉弘

はい。代表的なものはそんなところです。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

最後に肝癌について教えてください。

金子吉弘金子吉弘

肝臓にできる癌が肝癌です。肝臓の細胞からできたものと、肝臓以外にできた癌が肝臓に転移したものがあります。肝臓由来の癌を原発性肝癌といいます。他のところにできた癌が肝転移したものを転移性肝癌といいます。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

肝癌は原発性肝癌と転移性肝癌の2つに分けられるのですね。

金子吉弘金子吉弘

そうです。割合としては、ほとんどが原発性肝癌です。約9割ですね。残りの約1割が転移性肝癌です。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

肝硬変の方は肝癌ができやすいと思いますが、それは原発性肝癌ですか。

金子吉弘金子吉弘

肝硬変の方にできやすいのは肝細胞癌で、原発性肝癌の一種です。肝細胞癌以外の原発性肝癌には、肝内胆管癌や肝芽腫、肝血管肉腫、肝嚢胞腺癌などがあります。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

転移性肝癌はどこの癌からの転移が多いのですか?

金子吉弘金子吉弘

いろいろな癌が肝臓に転移しえます。具体的には、大腸癌や胃癌、膵癌などの消化器系の癌や乳癌、肺癌、頭頚部癌、子宮癌、卵巣癌、腎癌などです。

肝臓病患者さん肝臓病患者さん

癌だけでもたくさんありますね。肝臓の病気っていろいろあるんですね。