肝臓が痛い気がするけど、本当に肝臓?

肝臓は、右の肋骨の奥にあります。

この辺りに痛みを感じた場合、きっと肝臓の痛みにちがいないなどと考えてしまい、肝臓の病気が心配になるかもしれません。

しかし、実際には、肝臓そのものが傷ついたとしても痛みはありません。

肝臓には痛みを感じる神経が走っていないからです。

肝臓自体が傷ついても痛みの原因になりませんが、肝臓を包んでいる膜には神経が走っているため、膜は痛みます。ちなみに肝臓を包んでいる膜は肝臓の被膜と呼ばれます。ですから、急性肝炎などが原因で肝臓の被膜に炎症が及ぶと右の肋骨の奥あたりに痛みがでることがあります。

それから、肝臓の中にはグリソン鞘(ぐりそんしょう)という結合組織があります。これは、グリソン鞘は肝臓の中で肝動脈と門脈と胆管を束ねています。ぐり損傷の中には神経が走っています。ですから、グリソン鞘に損傷がおこると痛みを生じます。

具体的には、胆管に結石などがつまり、胆管の中の圧力が高まると痛みを感じます。

肝臓の辺りに痛みを起こす病態として、急性肝炎による被膜の炎症と結石によって肝内胆管の圧力が高まった状態の2つを挙げました。

肝臓を構成する肝細胞自体が傷ついても痛みは生じないので、右の肋骨の辺りの痛みを感じた場合、肝臓の被膜やグリソン鞘の痛み、または胆のうや腎臓、膵臓、消化管など、肝臓以外が原因の痛みの可能性が考えられます。