原発性胆汁性胆管炎とは

出典:胆道がん(胆管がん・胆のうがん)の解説と症状|オリンパス おなかの健康ドットコム

肝臓は肝細胞という細胞が集まってできています。肝細胞では胆汁が作られます。胆汁は左右の肝管を流れて胆管に集まり、胆嚢に蓄えられます。食事をすると胆嚢が縮まり、蓄えられた胆汁が腸の中に流れ出て、食べ物の消化を助けます。

原発性胆汁性胆管炎は、この胆汁の通り道である胆管に炎症が起こり、胆管が壊れるために胆汁の流れが滞り、肝機能が徐々に悪くなる病気です。

原発性胆汁性胆管炎は、以前は原発性胆汁性肝硬変と呼ばれていました。これは、以前は病状が進行して肝硬変の状態にまで悪くなってからみつかることが多かったからです。つまり、この病気がみつかったときにはすでに肝硬変になっている人が多かったということです。

現在は検査の技術が進歩しました。肝硬変にならない段階、すなわち胆管炎の段階で病気をみつけることができます。ですから、原発性胆汁性胆管炎という名前に変更されました。

原発性胆汁性胆管炎の3つの病気の進み方

原発性胆汁性胆管炎の病気の進み方は3つあります。緩徐進行型、門脈圧亢進症型、黄疸肝不全型です。

緩徐進行型

緩徐進行型では、長い間症状がない期間が続きます。ゆっくりと病気が進むのが特徴です。

門脈圧亢進症型

門脈圧亢進症型では、黄疸の症状はありません。ところが、食道静脈瘤が比較的早くにみられます。また、肝細胞癌もみられます。

黄疸肝不全型

黄疸肝不全型では、早い段階で黄疸を認め、肝不全になります。

症候性原発性胆汁性胆管炎と無症候性原発性胆汁性胆管炎

原発性胆汁性胆管炎は症候性と無症候性に分けられます。

症候性とは、何らかの症状があるということを意味しています。

無症候性とは、特に症状がないということを意味しています。

症候性原発性胆汁性胆管炎では、具体的には、皮膚の強いかゆみ、黄疸、胃や食道の静脈瘤、腹水、肝性脳症などの症状がみられます。

無症候性原発性胆汁性胆管炎では特に症状はみられません。

原発性胆汁性胆管炎に合併する病態

原発性胆汁性胆管炎には合併しやすい病態がいくつかあります。それは、脂質異常症とそれに伴う皮膚黄色腫、Sjogren症候群、関節リウマチ、慢性甲状腺炎、皮膚掻痒症、骨粗しょう症などです。

 

原発性胆汁性胆管炎の人のかゆみの原因となる物質

原発性胆汁性胆管炎の人は、カラダのかゆみの症状を訴えます。このかゆみの原因となる物質にリゾホスファチジン酸があります。リゾホスファチジン酸はリン脂質の誘導体で、オートトキシンと呼ばれる酵素によって作られます。

胆汁うっ滞があると血液中のオートタキシンの濃度が上昇するという報告があります。

原発性胆汁性胆管炎の治療

原発性胆汁性胆管炎の治療は、基本的な治療、合併症に対する治療、肝移植の3つに分けることができます。基本的な治療は、ウルソデオキシコール酸の内服、ベザフィブラートの内服です。合併症には主に皮膚のかゆみ、骨粗しょう症、肝硬変の症状の3つがあります。

原発性胆汁性胆管炎を根本的に治す薬はありません。ですから、原発性胆汁性胆管炎の治療は対症療法が主となります。

まず、使われる薬はウルソデオキシコール酸です。ウルソデオキシコール酸を飲んでも効果が不十分である場合、ベザフィブラートを飲むことが検討されます。

ウルソデオキシコール酸

ウルソデオキシコール酸は胆汁の流れをよくする、細胞膜を保護する、免疫を調節するという3つの作用によって原発性胆汁性胆管炎が進行するのを抑えます。

実際、ウルソデオキシコール酸を飲み始めると、血液検査の結果が改善し、予後も改善します。

ベザフィブラート

原発性胆汁性胆管炎の方の一部にはウルソデオキシコール酸が効かない人がいます。そのような方に対して使われる薬にベザフィブラートというものがあります。これはもともと脂質異常症の治療薬ですが、原発性胆汁性胆管炎の人にも有効であると言われています。

ベザフィブラートは、MDR3の発現を促すことで細胞が壊されるのを抑えることとPPARαを活性化させることで炎症をおさえることで原発性胆汁性胆管炎の改善に役立ちます。

ウルソデオキシコール酸とベザフィブラートは併用することが基本

原発性胆汁性胆管炎の根本的な治療法はないこと、対症療法としてウルソデオキシコール酸とベザフィブラートが使われることを説明しました。

ウルソデオキシコール酸とベザフィブラートは、効果を発揮するメカニズムが異なります。ですから、この2つの薬は併用することが基本となります。