自己免疫性肝疾患は、膠原病の亜型と考えることもできます。
自己免疫性肝疾患と膠原病には共通点があるからです。
具体的には、「原因がよくわからない」、「自己抗体がみつかることが多い」、「HLAが関わっているかもしれない」、「他の自己免疫性疾患も患うことが多い」という4つです。
原因が分かっていない
膠原病の原因についていろいろと言われていることがあります。しかし、実際には膠原病の原因はよく分かっていません。
同じように、自己免疫性肝疾患も原因がよく分かっていません。
自己抗体が見つかることが多い
自己抗体とは、自己に対する抗体のことです。自己とは自分の正常な組織や細胞のことです。
抗体は本来、カラダに侵入してきた有害な病原体(感染症を引き起こす細菌やウイルスなど)と戦うためのものです。
自己抗体は免疫の働きがおかしくなると作られてしまいます。これは、自分のカラダを構成する細胞を攻撃してしまうことがあります。
膠原病では自己抗体が見つかることが多いです。
実は、自己免疫性肝疾患でも自己抗体が見つかることが多いのです。
HLAが関わっているかもしれない
HLAはHuman Leukocyte Antigenの略です。
Humanはヒト、Leukocyteは白血球、Antigenは抗原です。
Human Leukocyte Antigenでヒト白血球型抗原と訳します。
1954年に白血球の血液型として発見されました。
ところがその後、HLAは白血球だけにあるのではなく、赤血球以外のほぼすべての細胞と体液にあることが分かりました。これは、主要組織適合遺伝子複合体として働き、自己と非自己を区別するのに大切な働きをしています。つまり、HLAはヒトの免疫に関わる重要な分子なのです。
そして、膠原病も自己免疫性肝疾患も、このHLAが関わっている可能性があります。
他の自己免疫性肝疾患にもかかっていることが多い
何か1つ膠原病を患っている人は、その他にも自己免疫が関わる病気をもっていることが多いです。
自己免疫性肝疾患も同様です。1つの自己免疫性肝疾患を患っている人は、別の何らかの自己免疫と関係がある病気をもっていることが多いです。
このように自己免疫性肝疾患と膠原病は、「原因がよくわからない」、「自己抗体がみつかることが多い」、「HLAが関わっているかもしれない」、「他の自己免疫性肝疾患も患うことが多い」という4つの共通点をもっています。そのために自己免疫性肝疾患は膠原病の亜型と考えることができます。