GAVE

GAVEの症状は出血による症状が主

はじめに

GAVEは胃毛細血管拡張症のことです。

下の記事でGAVEの概要について説明しました。

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下の記事ではGAVEのAPC治療について説明しました。

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この記事では、GAVEではどのような症状が出るのかについて、解説します。

GAVEでは出血がなければ症状はほぼ無い

GAVEでは、胃の粘膜からの出血がなければ、ほとんど症状がありません。

たとえば、内視鏡検査の結果、派手に見えるGAVEがあったとします。

しかし、出血を伴わないGAVEでは、お腹の痛みや吐き気など、お腹の症状はほとんど認めません。

引用:GASTROLAB

上の画像の胃の粘膜は真っ赤です。

正常な胃の粘膜は、下の画像のようなものです。

引用:南長崎こみ山医院 (2) 画像集: 胃カメラ図鑑

この正常な胃の画像と見比べると、GAVEの胃では粘膜が真っ赤になっていることが分かるでしょう。

こんなに真っ赤になっていますが、出血していないGAVEでは症状はほとんどありません。

出血してはじめてGAVEで症状がでる

出血を伴わないGAVEではほとんど症状がありません。

しかし、出血を伴うGAVEでは症状を認めます。

次のようなケースに分けて解説します。

  • じわじわとかすかににじむような出血が続いた場合
  • 大量ではないがじくじくにじみ出る出血を認めた場合
  • 急速に大量に出血した場合

じわじわとかすかににじむような出血が続いた場合

通常、胃からの出血があると、便が黒くなります。これを黒色便やタール便といいます。

しかし、きわめてゆっくりとしたほんのりとにじむような出血では、便が黒くもならないことがあります。

黒色便またはタール便になるには、ある程度の血液の量が必要だからです。

黒色便にもならないようなごく微量の出血でも、それが長期間続いた場合には、貧血を引き起こすことがあります。

GAVEで起こる出血はこのようなのんびりとしたものであることが多く、黒色便もないのに貧血がゆっくりと進行する場合があります。

この場合、貧血による症状がGAVEの唯一の症状となります。

具体的には、貧血によって、動いた時の息切れや動悸、めまいやふらつき、立ちくらみ、疲れやすさなどです。

大量ではないがじくじくにじみ出る出血を認めた場合

すごい勢いではないとしてもじんわりとにじみ出る出血がある場合、黒色便やタール便がみられます。

また、出血によって貧血を認めるため、貧血による症状を認めます。

多くのGAVEはこのケースだと思います。

すなわち、黒色便やタール便がみられ、上で述べたような貧血の症状、すなわち、動いた時の息切れや動悸、めまいやふらつき、立ちくらみ、疲れやすさなどがみられるというのがGAVEの症状の典型的なものです。

急速に大量に出血した場合

上で述べたように、GAVEでは黒色便にもならないほどの微量なゆったりとした出血が認められるほどですから、急速に大量に出血することはあまりありません。

しかし、毛細血管が拡張した胃の粘膜が何らかの原因で傷つけられたとしたら、そこから急速に大量に出血することがあってもおかしくありません。

この場合には、出血してからほとんど時間がたっていない場合には、血液が肛門にまで到達していないため、黒色便やタール便が認められない場合があります。

逆に、はなはだしい大量出血では、血液が黒色に変化する前に、赤色のままで肛門からでてくることもなくはないでしょう。

しかし、GAVEでそこまでの急速大量出血はほぼないと考えていいと思います。

このようなGAVEでは、黒色便やタール便がみられる場合とみられない場合があると思いますが、それよりも、急速な出血による失血による症状として、顔面蒼白、血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れなどがみられると考えられます。

まとめ

GAVEでは、出血がなければ見た目の派手さとは裏腹に症状はほぼありません。

出血した場合には、それによる便の色の変化と貧血、失血による症状が認められます。

GAVEからの軽度の出血が原因となり、きわめてゆっくりとじわじわ出血が続いて貧血になるような場合の症状は、動いた時の息切れや動悸、めまいやふらつき、立ちくらみ、疲れやすさなどです。

GAVEからじんわりとにじみ出る出血を認めた場合には、黒色便やタール便がみられ、加えて動いた時の息切れや動悸、めまいやふらつき、立ちくらみ、疲れやすさなどがみられます。

あまりないと考えられますが、GAVEから大量に急速に出血した場合、便の色は黒い場合、普通の場合、赤色の場合があると考えられ、急速失血による症状として、顔面蒼白、血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れなどがみられると考えられます。