はじめに
脈管とは、生物の体内にあって、体液を通す管のことです。
肝臓にも脈管が出入りしています。
肝臓の脈管は、具体的には、Glisson系脈管群と肝静脈です。
Glissonはグリソンと読みます。
この記事では、肝臓に出入りする脈管について、具体的には、Glisson系脈管群と肝静脈について解説します。
Glisson系脈管群は肝動脈、門脈、胆管で構成される
Glisson系脈管群は、”群”とついているくらいですから、複数の脈管が集まって構成されていることが分かります。
Glisson系脈管群は、具体的には、肝動脈、門脈、胆管で構成されています。
引用:よくわかる!肝機能ナビl 肝臓の数値の意味がわかるサイト
引用:[医師監修・作成]肝臓がんとは?肝臓がんの診断から治療法まで解説
引用:肝臓の血液循環とうっ血肝
肝動脈と門脈は肝臓に血液を送り込む血管です。そのため、この2つの血管は流入血管と呼ばれます。
胆管は、胆汁を肝臓内から肝臓外に排出する脈管です。
これらの3つ、すなわち、肝動脈、門脈、胆管がGlisson系脈管群です。
Glisson系脈管群はGlisson鞘に包まれ、区域、亜区域へと分岐する
Glisson系脈管群は、肝動脈、門脈、胆管で構成されています。
この3つの脈管群は、Glisson鞘に包まれています。
Glisson鞘は、肝動脈、門脈、胆管、リンパ管などを束ねる結合組織です。
引用:肝細胞研究会:肝障害と幹細胞 ― 肝修復における幹細胞の役割
引用:Added by @gogogorou Instagram post .
引用:原発性胆汁性肝硬変 | 岩国の内科・胃腸科・消化器内視鏡科・肛門科・甲状腺科
Glisson系脈管群は、肝臓の中を区域、亜区域へと進むにつれて枝分かれして、どんどん細くなっていきます。
こうして細い脈管になっていき、肝動脈は小葉肝動脈、門脈は小葉間静脈、胆管は小葉間胆管に呼び名が変わります。
肝小葉は肝臓の機能単位
ところで、小葉という言葉がでてきています。これは、肝小葉のことです。
肝小葉とは、肝細胞が約50万個集まってできる組織のことです。さらに、肝小葉が約50万個集まって肝臓ができています。
肝小葉は、肝臓の機能単位です。この肝小葉の一つ一つが肝臓の機能の最小単位です。そして肝小葉の機能を中心的に任っているのが肝細胞です。
肝臓に入る血液は小葉肝動脈、小葉間静脈、小葉間胆管から類洞、そして中心静脈へと進む
肝臓への流入血管である肝動脈と門脈は小葉間動脈と小葉間静脈へと枝分かれしていきます。
このようにして肝臓に流れ込んでくる血液は、類洞を流れ、肝臓から血液が流れ出る血管である中心静脈へと進みます。
胆汁は胆管を通って血液とは逆方向に流れる
胆汁の流れは、血液の流れと逆になります。
血液が太い血管から細い血管へと流れていったのに対して、胆汁は細い胆管から太い胆管へと、血液の流れとは逆の方向に流れていきます。
このように、Glisson系脈管群には肝動脈、門脈、胆管の3つがありますが、肝動脈、門脈の血液の流れと胆管の胆汁の流れは別になることに注意してください。
ここまでで肝動脈、門脈から中心静脈までの流れと胆管の中での胆汁の流れを学びました。
次は中心静脈から下大静脈までの流れを解説します。
血液は中心静脈から小葉下静脈、区域肝静脈、右・中・左肝静脈を通じて下大静脈へと流れる
肝動脈、門脈から中心静脈に流れた血液は、その後、小葉下静脈、区域肝静脈、右・中・左肝静脈を通って下大静脈へと流れます。
引用:肝臓の仕組み|食べる(4) | 看護roo![カンゴルー]
まとめ
この記事では、Glisson系脈管群と肝静脈について学びました。
Glisson系脈管群は肝動脈、門脈、胆管の3つです。
肝動脈、門脈は肝臓に入って中心静脈に流れ、下大静脈へと流れ出ます。
胆管は肝臓内で作られた胆汁を運ぶ管です。
胆汁はGlisson鞘の中で肝動脈、門脈と逆に流れます。