ウイルスは微生物の一種です。
微生物とは、目に見えないくらい小さい生物のことです。
微生物には、具体的には細菌や真菌、原虫、ウイルスなどがあります。

出典: https://www.med.kindai.ac.jp/transfusion/ketsuekigakuwomanabou-252.pdf
B型肝炎ウイルスは、微生物のうち、ウイルスの一種です。
ウイルスはDNAウイルスとRNAウイルスに分けることができます。
DNAウイルスとRNAウイルスはさらに、1本鎖のウイルスと2本鎖のウイルスに分けられ、それがさらに直鎖状のものと環状のものに分けられます。

出典:第11章 ウイルスとは
B型肝炎ウイルスは、DNAウイルスで、二本鎖で、環状(球状)です。
また、ウイルスはそれぞれ、目、科、亜科、属、種でも表すことができます。

出典:ウイルスの分類 – Wikipedia
B型肝炎ウイルスはヘパドナウイルス科に属します。
大きさは直径約42nm(ナノメートル)です。
B型肝炎ウイルスに持続的に感染している人の数は、世界で約4億人いると見積もられています。
日本では約100人に1人が感染していると考えられています。
Dane粒子とは
B型肝炎ウイルスの本体をDane粒子と呼びます。これは発見者の名前をとってつけられました。
Dane粒子は、完全閉鎖二本鎖DNA、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素などを含む芯(芯)と外殻(エンベロープ)の二重構造をしています。

HBs抗原とは
HBs抗原は、主にDane粒子の外殻を構成するタンパク抗原です。
HBs抗原がDane粒子の二重構造のうち、外側を構成しています。
実はHBs抗原はDane粒子以外にも存在します。具体的には、中空粒子、小型球形粒子、桿状粒子などの血中に放出されるタンパクの外殻にも存在します。
HBe抗原とは
HBe抗原は、芯の一部を構成するタンパクです。
B型肝炎ウイルスが勢いよく増えているときに血液中に流出します。
B型肝炎ウイルスがもつ他のウイルスとの違い
B型肝炎ウイルスには、ほかのウイルスとおこなる特徴があります。
インフルエンザウイルスやHIVウイルスなどは、ウイルス自体が細胞を傷づける働きをもっています。
インフルエンザウイルスやHIVウイルスに感染した細胞は、これらのウイルスそのものの働きにより、壊されてしまします。
しかし、B型肝炎ウイルスは、これらのウイルスと異なり、細胞を傷つける機能をもっていないか、もっていたとしてもとても弱いです。
では、なぜ、B型肝炎ウイルスに感染すると、肝機能障害、すなわち、肝細胞の破壊がおこるのでしょうか。
B型肝炎ウイルス感染の結果起こる肝機能障害は、B型肝炎ウイルス自体によって引き起こされるのではありません。B型肝炎ウイルスに感染してしまった細胞を排除しようとする宿主の免疫反応によって引き起こされるのです。
宿主の免疫反応によって、細胞障害性T細胞による細胞性免疫が引き起こされ、B型肝炎ウイルスに感染した細胞を攻撃することで、肝機能障害が生じます。