強力ネオミノファーゲンシーとは?
強力ネオミノファーゲンシーは、グリチルリチン酸を主な主成分とする注射薬です。グリチルリチン酸製剤とも呼ばれます。
この薬は肝機能を改善させる働きと湿疹や蕁麻疹などのアレルギー疾患を治す効果を持っています。
グリチルリチン酸とは?
グリチルリチン酸は甘草の根に含まれる成分です。解毒作用や抗アレルギー作用をもっています。甘草の甘さのもとになっている成分です。
グリチルリチンはアルドステロンのような働きをもっています。アルドステロンとは、副腎から分泌されるホルモンのことです。鉱質コルチコイドの一種です。
アルドステロンが働きすぎると、高血圧になることがあります。
甘草とは?
甘草は東西を問わず昔から使われてきた生薬です。甘草からはグリチルリチン酸を抽出することができます。
甘草は別名で、リコリスと呼ばれます。
甘草は痛み止め、抗アレルギー、解毒、抗炎症などのさまざまな薬効をもっています。このため、昔から世界中で使われています。
強力ネオミノファーゲンシーには何が含まれているの?
強力ネオミノファーゲンシーには、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリシン、L-システイン塩酸塩が含まれています。
グリチルリチン酸は肝細胞が増えるのを促して、肝細胞がダメージを受けるのを減らす効果を持っています。また、炎症をおさえる働きも持っています。
強力ネオミノファーゲンシーは何に使われるの?
強力ネオミノファーゲンシーは、慢性肝疾患や皮膚炎、口内炎などに使われます。
強力ネオミノファーゲンシーの歴史は?
強力ネオミノファーゲンシーは最初、アレルギー性疾患の治療に使われました。
1958年になって慢性肝炎に対して有効であることが知られました。慢性肝炎の人に強力ネオミノファーゲンシー40mLを1か月間投与したところ、トランスアミナーゼの値、γ-GTPの値が改善したのです。さらに、1日60~100mLの強力ネオミノファーゲンシーを投与するともっと肝機能の値が改善しました。そのうえ、肝臓の組織像も改善しました。
このように強力ネオミノファーゲンシーは、肝疾患に対してしばしば使われる薬です。
強力ネオミノファーゲンシーの作用は?
強力ネオミノファーゲンシーの作用は主に次の5つです。
- 抗炎症・・・炎症の伝達物質を阻害する
- 免疫調節・・・免疫細胞を調節する
- 抗アレルギー・・・アレルギーを抑える
- 肝細胞増殖・・・肝細胞の障害を抑えたり、肝細胞が増えるのを助けたりする
- ホスホリパーゼA2活性阻害
- ウイルス増殖抑制・不活化
これらの作用により、肝臓の炎症をしずめ、肝臓の働きをよくします。
強力ネオミノファーゲンシーの効果は?
肝臓の炎症をしずめ、肝臓の働きをよくします。また、アレルギーをおさえる作用があり、湿疹や皮膚炎をよくします。
強力ネオミノファーゲンシーの副作用は?
血清カリウム値の低下、血圧上昇などがあります。重大なものにショック、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状、偽アルドステロン症があります。また、横紋筋融解症の起こったという報告もあります。