構造

門脈の解剖学

はじめに

肝臓はまるで水にぬれたスポンジのように、血液をたくさん含んでいます。

肝臓は多くの働きをしています。その一つに、体にとって必要なものを作り、いらないものを分解するという大事な役割があります。

この肝臓には、消化管からの血液が直接流れ込むようになっています。このときの血液の流れ道は門脈と呼ばれています。

栄養は消化管で吸収されると門脈を通って肝臓に送り届けられます。そこでいろいろなことに役立てられます。

この記事では、この門脈の解剖について解説します。

門脈とは

門脈とは、消化管を流れた血液が集まって肝臓に流れ込む部分の血管です。

まずは門脈のイメージをつかむためにいくつかの絵を見てみましょう。

引用:(19) 門脈ー体循環吻合に関与するのはどれか。

引用:「門脈に入る静脈」 イラストとセットで覚えると頭に入ります。 ・上腸間膜静脈 ・下腸間膜静脈 ・脾静脈 ・左胃静脈

引用:H27/7/7 CTカンファレンス

引用:腸の血管・門脈・肝臓

引用:「勉強」おしゃれまとめの人気アイデア

冒頭で、門脈は消化管からくる血液が肝臓に注ぎ込む部分の血管と説明しましたが、上の絵をみると分かる通り、門脈には消化管以外にも脾臓や膵臓などからの血液も流れてきます。

下腸間膜静脈は脾静脈に合流する

門脈に通じる静脈の一つに下腸間膜静脈があります。

下腸間膜静脈は、脾静脈に合流します。

引用:スライド 1

下腸間膜静脈は、脾臓の背側を走行する

下腸間膜静脈は脾臓の背側、すなわち、背中側を走っています。

引用:スライド 1

下腸間膜静脈は、脾臓の背側で脾静脈に合流します。

上腸間膜静脈は脾静脈と合流し、門脈に至る

上腸間膜静脈と脾静脈が合流して門脈になります。

引用:スライド 1

左胃静脈・右胃静脈も門脈につながる

左右の胃静脈も門脈につながります。

引用:フィットネスの勧め

門脈の血流量は1000~1200ml/分

門脈は食道や胃、小腸や大腸などからの血液を肝臓に注ぎ込みます。その血流量はとても多いです。具体的には、1000~1200ml/分にもなります。

引用:関連疾患 一般社団法人日本血液製剤協会

肝臓に流れ込む血液のうちの70~80%は門脈からの血液です。残りの20~30%は肝動脈からの血液です。

肝動脈の解剖学 はじめに 肝臓には動脈、静脈、門脈、胆管などの脈管が出入りしています。 脈管とは、生物の体内にあり、体液を流している管のことです。 h...

このことは、肝細胞癌の治療法の一つであるTACEについて理解するうえで重要な概念です。

肝内門脈の枝

門脈は肝臓の中ではさらに枝分かれしていきます。

引用:肝臓の超音波検査

肝臓にはS1からS8までの亜区域があります。

肝臓は8つの亜区域に分けられる はじめに 肝臓は右葉と左葉に分けられます。 https://liver-disease.jp/liver-right-left/ 右葉...

門脈は大まかにはこの亜区域に血液を届ける枝として枝分かれしていき、S1からS8までの亜区域に一致してP1からP8などというように名前がつけられています。

Pというアルファベットが使われている理由は、門脈がportal veinと英語で呼ばれるからです。

まとめ

門脈は、消化管、脾臓、膵臓などからの血液を肝臓に届けるための血管です。

下腸間膜静脈が脾静脈に合流し、脾静脈はさらに上腸間膜静脈と合流し、門脈に至ります。

門脈の血流量は1000~1200ml/分ととても多く、また、肝臓に届けられる血液の70~80%が門脈からの血液です。なお、残りの20~30%は肝動脈からの血液です。

門脈は肝内では大まかには1~S8までの亜区域に一致して、P1~P8という名前の細かい血管に枝分かれしていきます。